たまらん中古車

2012年03月19日

第33回「オモチャとしての車、その完成系!」

車というのは色々な側面があるものですが、割り切れば割り切るほど、その個性は強くなるものです。かといって、ストイックすぎたり、おちゃらけ(?)すぎたりすると、誰も買わなくなってしまい、メーカーとしてビジネスが成立しなくなってしまいます。今回のこの車は、最大限まで遊んでいるのに全くナメられることなく、性能やブランドまでしっかりと成立して大ヒットしたnew MINIです。




2004年式 MINI クーパーS

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フロントビュー





この車を見たことある人は多いと思います。あまり車に詳しくない人でも、この車を見ると、新しいミニだな! という印象を持っているでしょう。そう、まさに「新しいミニ」なのです。が、ちょっとどういう車かを説明する前に、「古いミニ」を説明しないといけません。
「古いミニ」は、イギリスの車で、ローバーミニなんていう名前も聞いたことがある人も多いと思います。まるで軽自動車のような小さな車なのに、どこか可愛げがあり、クラシックなのに古くない、フォルクスワーゲンなどと並ぶ名車でしょう。生産する会社は刻々と変わりましたが、何と40年にも渡って基本構造は変えずに生産され続けたのです。ミニといえばこれ、という刷り込みを与えるには十分なほど、定番のモデルであります。




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リアビュー





で、この「ミニ」は新世代のミニなのです。ドイツのBMWが、古いミニを製造販売していたローバーを買取り、1からブランド、設計、丸ごと作り直したのです。
あまり知られていないことですが、古いミニを小文字で「mini」と書き、新しいBMWのミニは大文字で「MINI」と書くことで区別しています。




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サイドビュー





この新しいMINIが出た時は、MINIなのに大きくなってしまっただの、やはり色々なことを言われたようです。その後このMINIは様々なバリエーションを設けるのですが、もう先代miniの面影はちょっと残されているくらい、というレベルにまで来ており、BMW以降のMINIについては車としては完全にminiとは「別物」であります。
しかしながら、MINIとは何か?miniとは何か?ということを、BMWは真剣に考え尽くしたのでしょう。これがまた大まじめに作られているわけです。
結局miniとは何なのか。それが今はどうあるべきか。ブランドイメージや、ファンの思い、それらをギリギリまで守りながら、非常にモダンなものに仕立て上げる。ただ、ボディのデザインだけが違ったら良い、というものではないわけです。そういう意味で、4代目ゴルフをベースにしたニュー・ビートルとは、気合いの入れ方が違うと言えます。このMINIは、このMINI以外のどの車でもない。もちろん古いminiでもないわけですね。




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コックピット





先代miniについては、作られた当時は実用目的だったはずですが、モデル末期の2000年近くになるともう完全にレトロ趣味の車になっていたわけです。古き良きイギリスの香りを楽しみつつ、小さくて面白い走行性、キュートな形。ワーゲンと同じで、元々は実用車、国民車、大衆車であったことがポイント。古い作業服を格好良く着るという感覚でしょうか。
このMINIになって、やはりこの時代に求められるスペックとして、安全性能とか、高速性能など、先代miniの当時とは大きく違ってきているわけです。ボディもメカも大きくなりました。とはいえ、5ナンバーに治まっています。この大きさは、もちろん先代miniほどでは無いですが、日本車だとヴィッツくらいです。十分小さい車だと言えます。
そしてなにより、先代miniの持っていたクラシカルでキュートな形と、おもちゃみたいな走行性能。これらを高い次元で形にしたのは本当にすごいと思います。このMINIはよく「ゴーカートフィーリング」と言われます。その名の通り、ゴーカートを運転しているような楽しさがあります。快適さよりも楽しさを優先させること。つまりそれは、先代miniを愛でる人がずっと求めている事だったりすると思います。
このMINIクーパーSというグレードは、いわば「走りのグレード」です。マニュアルミッションで、エンジンパワーも十分。サスは固められて、まさにごつごつとした乗り心地は、ゴーカートそのものでしょう。踏めば速い。そしてボディの剛性もバッチリで、無理な走りをしても破綻することが無い。
それでいてこのルックス。そして何よりも「ミニ」であること。「ミニ」であると理解させること。これはもの凄く高いハードルだと思うのですが、見事だと言えます。真面目なBMWのデザイナーとエンジニアの鬱憤が爆発したような車だとすら思えてきます。




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リアシート





やはりリアは狭いです。だから何だっつう?




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やはり格好いい





おしゃれだし、女の子も好きな車でしょう。しかし実際に運転してみると、運転の楽しさと、意外と男の子っぽい乗り心地の荒さに気づき、いつの間にか完全にオモチャ化してしまう。そんな車だと思います。今回紹介したのはニューMINIでは初代のモデルですが、初代がかなり良い値段になってきました。色々と細かい不具合も出るでしょうけれど、古くなるデザインではないというのはとても大きな価値であります。これはひょっとしたら今一番欲しい中古車かも知れません!




MINI MINI クーパーS キセノンヘッド 社外アルミ 6速マニュアル車 | オートステージ BMW専門店
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※当ページ内の内容は2012年3月19日現在の情報です。




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posted by BUBBLE-B at 10:39| Comment(0) | たまらん中古車
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